私たちの“それぞれを そのままに – as it is -”
“聞く力”や“導く力”こそが、私たちにとって必要な資質
Vo.6 二子玉川 蔦屋家電 食コンシェルジュ 築野由佳さん
TSUTAYAの新業態として2015年、ライフスタイルを提案する家電店として東京・二子玉川にオープン。家電・雑貨・本などカテゴリやジャンルなどボーダレスにさまざまな魅力ある商品などを展開。リアル店舗にこだわり、価値を求め続ける。二子玉川 蔦屋家電 食コンシェルジュ築野さんの“as it is”
モノを売らず、ライフスタイルの“コト”を売る
コンシェルジュという私の仕事は、店頭での接客や、フェアやイベントの企画運営はもちろん、今回のような取材対応、外部イベントへの出演、時には製品開発の企画に携わることもあります。
他の家電量販店、書店の販売員と私たちコンシェルジュの違いとして意識していることは、家電や書籍の商品単体のジャンルやプロダクトのスペックだけを語るモノ軸ではなく、ライフスタイルというコト軸で語ることのできる知識豊富なスタッフであるということです。コンシェルジュには、以前WEBデザイナーをしていたなど、異業種から転職してきた販売経験の無いコンシェルジュも少なくありませんが、コンシェルジュにとって大切な資質とは、お客様のお悩みや理想を“聞く力”やそれら自体を“導く力“なのだと思っています。
オンラインとオフライン情報も意欲的にキャッチする力
意欲、探究心、向上心などそれぞれのコンシェルジュに備わっていますが、私はネットで得た情報をそれだけで終わらせず実際に店舗に行き、その店で接客を体験するなどして、売り場に反映しています。また、扱う商品は違いますが、ファッションブランドで販売している商品の価格、色、素材、店内レイアウトなども参考にし、バイヤーや商品開発の目線など違う役割からの目線で情報収集するようにしています。その他には、飲食業界にも目を向け、お店で提供されるおいしい料理や気になった料理などがあれば、これを作るにはこんな家電があれば提案できそうだ。など商品提案方法を日々模索しています。
「ライフスタイルを買う家電店」
私たちは、最先端の最新商品や注目をされている家電・本を中心に展開していますが、コンシェルジュが厳選した商品を自分たちが編集し、売場に表現をしています。単に最新製品が各社取り揃えられているというより、コンシェルジュがお客様にご提案したい、と思えるようなライフスタイルに合う製品を厳選しています。また、最新ということだけにこだわらず、クラシックな商品、長く使い続けられているロングライフな商品、プロ御用達のものなどを幅広くラインアップしています。
BOOK & CAFEという代官山 蔦屋書店をはじめ、蔦屋書店で広く展開しているスペースの名称ですが、購入前の書籍を試し読みができる場所をお店の各所に用意しております。本というのはたくさんの情報を私たちに教えてくれますので、そういったものでライフスタイルを想起させながら、お店の中をゆっくりと過ごしていただく、居心地の良い空間になるようにしています。
各生活提案のテーマごとに専門のコンシェルジュを配置し、来店されるお客様に提案したいライフスタイルを季節ごとにピックアップして紹介しています。または、お悩みやイメージ、ご希望をもったお客様に合わせて、さまざまなご提案をしています。コンシェルジュによる生活提案、BOOK & CAFEがつくる居心地の良い空間、他店にはないユニークな製品のラインアップが特徴になります。
時代の変化をキャッチし、進化をし続ける。理想のお店は完成しません
二子玉川 蔦屋家電がオープンして5年経過しておりますが、まだまだお店が完成したとは思っておりません。というのも、ひとつの生活ジャンルを知っているだけではだめだということも分かってきました。お客様のニーズも多様化し、何も決めずにどんな提案をしてくれるのかという期待をして来店されるお客様もいます。特定の商品に対して詳しいスペックを聞いてくるお客様もいらっしゃいます。
当初私たちが思い描いていたものと、お客様が求めるギャップを感じることもあり、日々試行錯誤しています。理想の店舗というのに答えがあるようでないと感じております。時代が変化していくなかで対応し、かつ半歩や一歩先の暮らしの提案をして、来店されるたびに発見や気づきがある、また来たくなる場所であることが目指すお店の姿です。
ECサイトと比較し、合理性だけを求めたらリアル店舗は逆行しているかもしれません。
しかし、あえて私たちは直接対面をして話をして、モノに触れて買う。人との触れ合いの中で本当に必要なモノが見えてくる。リアルの価値を求めていきたいと思っています。
コロナ禍になり生活様式が変化するなかで、お店の持っている機能やサービスに対してもお客
様の要望も多様化してきました。コミュニケーションを取る場所、勉強や仕事をする場所、カフェとしての空間などのニーズを感じました。ライフスタイルを提案することを標榜しているお店として、これからの時代に必要な場所や機能はなんだろう。とういことで、今年の2月に誕生したのがシェアラウンジです。
シェアラウンジのコンセプトは「発想が生まれ、シェアする場所」です。
カフェやオフィスとしての利用や、ときにはアルコールを楽しむバーとして利用するなど、様々な形で利用していただけます。その他、蔦屋家電ならではのサービスとして、最新家電や普段試すことが難しいプロダクトをお試しいただける家電レンタルサービスもご用意しています。
レンタルしているアイテムは、お仕事で必要となる充電(USB)コードや、ご自宅で利用いただくホームクリーニング機、食フロアで人気な炭酸水メーカー、など30種類以上の家電を用意しています。
お客様と繋がるために
蔦屋家電としては、モノを売り買う。というのでお客様と繋がっているのではなく、コトを提案する「ライフスタイルを買う家電店」としてあり続けていきたいと思います。
ー A story about coffee ー
普段は緑茶、玄米茶、烏龍茶、ほうじ茶などいろいろなお茶を飲んでいます。また、お茶が好きということもあり、プレゼントされることも多く、とにかくお茶生活。という感じです(笑)。
最近でいえば、新入社員のスタッフから誕生日にプレゼントしてもらった、甘いチョコレートに合うスパイシーな味わいの紅茶をもらい、それがすごく美味しかったです。
好きなモノや欲しい情報などは、普段から出来るだけ言葉にするようにしています。そうすることで周囲から情報が集まり、自分を高めるように心がけています。
家ではドリップパックでコーヒーを淹れたり、Coresの「ゴールドフィルターダブルウォールマグC421」を使って飲むこともありますよ。おいしいスイーツやパンを買った時は、豆から挽いてブラックコーヒーを飲んだりと、その時々で飲むものをセレクトして楽しんでいます。
食コンシェルジュ 築野由佳さん
大学卒業後、学童保育指導員として食育に携わった後、本格的に飲食の道へ。調理・接客の他に、飲食店舗の立ち上げやメニュー開発などの経験を武器に、食コンシェルジュとして二子玉川 蔦屋家電のベース作りに携わる。蔦屋家電・蔦屋書店の調理家電バイヤー時は、【kalita Blackシリーズ】の企画プロデュースや企業アドバイザーを務め、今年4月より再び食コンシェルジュとして食のライフスタイル提案をおこなっている。
二子玉川 蔦屋家電
2015年5月、 複合商業施設「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」内にオープン。
BOOK & CAFEの空間で、 コンシェルジュがライフスタイルを提案する新しいスタイルの家電店です。 また家電だけでなく、 日々の生活をもっと刺激的にしてくれるインテリアや本、雑貨などを販売するアート&テクノロジーに満ちた場所です。
5大陸50ヶ国以上が参加し小売の店舗プレゼンテーションを評価する”The 2018 – 2019 Global Innovation Award”にて、hororと呼ばれるグランプリを受賞。 最新のテクノロジーに触れられる、日本初のネット時代の次世代型ショールーム「蔦屋家電+(プラス)」のほか、2021年2月には、カフェとしても、バーとしても、オフィスとしても利用できる「二子玉川 蔦屋家電 シェアラウンジ」を店内2階にオープンし、刺激的で上質な時間を提供しています。
住所:東京都世田谷区玉川1丁目14番1号二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット
TEL:03-5491-8550
営業時間:10:00~20:00
※営業時間を短縮しております。最新の営業時間はホームページをご確認ください。